完成間近の矢作川改修工事(碧南市鷲塚町7丁目・昭和9年頃)げんぞうアーカイブス所蔵
昭和7年7月1日から2日にかけて発生した豪雨水害の対策として、昭和8年から始まった
河川改修工事。
そのうち、
矢作川と
鹿乗川の
合流地点を延長し、2つの河川の合流がスムーズに行えるようにした工事が、
完成間近を迎えた。
鹿乗川と矢作川を平行に、緩やかに流すことで、合流がスムーズにできるという設計で、改修工事が進められた。
その合流点を示すため、人を立たせて撮影された記録写真の一枚のである。
現在はコンクリート護岸に改められているが、その形はほとんど現状と同じである。
平成12年の
東海豪雨など、矢作川水系ではその後も水害が頻繁に起こっているが、
この改修箇所では、氾濫や堤防の決壊は起きていない。
台風や集中豪雨など、矢作川の水量が増すと、鹿乗川との合流地点で渦を巻いて水が溜まることはしばしば見られた。
だが、2つの河川の並走区間を延長したことで、水を
プールできる量が格段に増え、
これまでこの築堤が越水したことはない。
ただ、鹿乗川の勾配が少ないため、この上流まで水位が高い状態になることが多く、
その後も安城市内では氾濫したこともあった。
今回の
西日本豪雨で注目をされた
「バックウォーター現象」。
こんな身近な河川にも、こうした危険が隠されていることを、忘れてはならない。
こうした歴史を振り返ることも、災害から身を守るためには、重要なことだと考えたい。
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